@象牙筆管(羊毛)
A象牙筆管(兼剛)
B朱塗筆管(羊毛)
C山牛筆管
D彫刻筆管(兼剛)
◆筆の賢い選び方
良筆の条件は突・斎・円・健。
 筆も漢字も古い歴史がある。中国から伝えられた筆の製造方法も長い年月の間に日本で工夫が行われてきた。原料1つとってもそれは極めて身近にある動物の毛あり、造り方も家内工芸的な手工芸である。
 中国の言葉に「能書は筆を選ばず」と言うのがある。日本にも「弘法は筆を選ばず」という諺が古くからある。弘法大師のように名人の域に達してくると筆の良し悪しは関係なく、何の筆でも傑作が書ける。優れた腕があれば筆など選ぶ必要がないと考えるむきがある。この言葉は一面では真実であるが凡人には当てはまらない。筆はそれぞれ材料・製造方法・匠の技によって形体と書き味は異なり、いずれの筆が優れているかを決定する事は難しい。
 造る側から良い筆というものを考えてみると、古くから良筆の条件として突、斎、円、健がある。
突というのは穂先のとがりが錐のごとく鋭い。斎は穂先の毛の先端がきれいに揃っている。円というのは穂先、のど、腹、腰などの穂全体がすべて調和して無駄がない。健は弾力が備わり長く寿命にたえる造りををしている。良筆には材料、製法、筆扱いの要素が揃った時に生かされると考えています。
 書き手はどんな筆を持っても、その筆の無限の個性を理解して、筆の持ち味を可能な範囲で生かして使う。使う人の目的・用途によって筆を選ばれると良い。
◆賢い筆選びは信頼の厚い専門店で試し書きをして見るのが1番。
 筆は水筆といって穂を布糊で固めた筆(固め筆)と固めていない筆(さばき筆)の2種類がある。固め筆はほとんど毛の性質を確かめることはできない。外見から判断したりできないので製造メーカーの信頼度に頼るしかない。さばき筆ある程度は毛の性質や毛の弾力など手にして見ることはできる。これはある程度書道の経験を経た人はできますが初心者にはできない。。
 筆を買う場合書道専門店で購入するのがよい。専門家から使用目的に合う筆の説明を良く聞き、水書きをして、目的の筆か、書き心地は自分と合っているかどうかを筆の試し書きで知る。そして筆を選ぶと良い。
○筆の生命は穂の先端の水毛にある。
先端の半透明な部分が多いのが良い。まとまりが良くて耐久性がある。
○穂の先端の毛にばらつきがなく、揃っている。
見た目にきれいで、穂の毛質が均一になっている。
○筆穂の腰に弾力がある。
筆形で穂先・のど・かた・腹・腰の弾力が平均にある。